帰郷
谷川俊太郎
私が生まれた時
私の重さだけ地が泣いた
私は少量の天と地でつくられた
別に息をふきかけないでもよかった
天も地も生きていたから
私が生まれた時
庭の栗の木が一寸ふり向いた
私は一瞬泣きやんだ
別に天使が木をゆすぶった訳でもない
私と木は兄弟だったのだから
私が生まれた時
世界(コスモス)は忙しい中を微笑んだ
私は直ちに幸せを知った
別に人に愛されたからでもない
私は只世界(コスモス)の中に生きるすばらしさに気づいたのだ
やがて死が私を古い秩序にくり入れる
それが帰ることなのだ……
菖蒲華(あやめはなさく) 梅雨明け。
猛暑続きの日々。気象庁によれば、過去最も早い梅雨明けらしい。先日の雷豪雨、地震と容赦ない自然、天と地の異変である。
変らず1個を届けてくださる四季菜こめこめさん。一昨日久々に末っ子がついて来る。ドラえもんの菓子を手渡すと、いつもありがとうございますと言う、その笑顔にすこぶる元気をもらう。ご飯の量をもう少し減らしていただき、割り箸とお手拭きはもったいないので明日からは省いてくださいとお願いする。この美味しい手作り弁当にどれだけ助けられていることか。
このところ、携帯電話、固定電話の件数があまりに多く、茨木のり子さんの詩のままを過ごしていた気がする。
ようやくおさまったようだ。
親友が定期便のように案じてくれて、変わりない? にはじまりあれこれ語り合い、なにかと気遣ってくれる同志や友たち。
ありがとう。
いつも自然体で私らしくありたい。
ゆっくり深呼吸を繰返しながら、居心地よくいられる時間、私の居場所を大事にしたい。