風
谷川俊太郎
風が吹いてくる
遠い香りはこんで
風が吹きぬける
ためらう心ゆらして
風はささやきかける
池の波紋の輪のように
心はひろがるもの
誰かにとどくまで
風が吹きよせる
思い出のきれはしを
風に耳すます
過去から続くささやき
風はそっと押してくる
遠い誰かの手のように
明日へとふりむかせて
心を解きはなつ
鶺鴒鳴(せきれいなく) 居待月 放生会
筥崎宮放生会(ほうじょうや)。万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝する祭りで、千年以上続く神事として博多三代祭りとされている。
日中はまだ残暑とはいえ、秋風をしみじみ愛おしく実感できる候となる。ゆっくり深呼吸をしつつ風に吹かれ、雲の行方を追い月や星を眺めながら、いと小さくとも命、生へのありがたさに手を合わせる。
口癖は孝べえと一緒だよ。今日も一日ありがとう、明日もいい日でありますように、と毎日寝る前に言っていた薫さん。純一で素直でやさしく大きな存在だ。今は朝晩、薫さん、孝べえと一緒だよ、見守ってねと言葉にする日々。あたりまえやろ、ずっとそばにおるけん大丈夫!と声が聞こえてきそう。
ささやかな心掛けを守り大切にしたい。
薫さんが一番好きな秋これから晩秋へ、そして私の好きな冬に向けて体調を整えよう。